いつもとちがう散歩

きょうはいつもと別メニューでお散歩。まずは角の珈琲屋へ。特等席に座ってぼんやり。光が燦々と降り注ぎ、私のほかには誰もいなくて(店的に大丈夫かと思うとこもあるけど)のんびり。そして歩き出す。大きな通りをしばらく進んで角を曲がろうとしたら

優雅に進んでねってコトかしら。

酒屋さんは立呑付き。

こまごまたくさん詰まってた。
このあたりは古くから人々が暮らす街で、家と家のあいだに店があったりして、いいにおいがする。

不思議な分かれ道。

ホッパーの絵みたい。

右左右の絵もかわいいけど、「やってるかい」の「っ」がつんのめってて好き。「る」が巻き舌気味。
ここを進むと公営住宅もある庶民的な家並みから次第にけっこうな高級住宅街となる。突き当たりに広い広い敷地の豪邸があり、それを取り囲むように坂道がカギの手で落ちていき、商店が並ぶ街へ出た。
やわらかな陽光のした、あたらしい発見のある道筋をただただ歩く、それだけでああっなんて楽しいのだろうか。
このあと映画を見るつもりだけど止めてこのまま歩いていようかなどうしようかな。



と少し考えてやっぱり映画を見ることにして、地下鉄に乗って移動、手前の駅で降りた。谷底にあるような立地の駅で、改札から直結したビルが傾斜にそっている様を見上げると、ちょっと壮観。外へ出ると目の前はぐるりと工事用の塀に囲まれていて、そこにあった宿泊施設が取り壊されていた。トチ狂ったかのように”尖った”建物が乱立してたころに出来たもので、子供の頃母と泊まったことを思い出す。少し進むと

こんな通路が…!!!手前の煉瓦作りの階段は元の建物にあったものだろう。白く高い塀に囲まれた狭い道、向こうには階段が見える、いったいなんなんだコレ!通らないわけにはいかないでしょう!とつかつか進んださきの仮設階段を上がって来た道を振り返る、と

うわー、ぽっかりとなんにも無いよ!

なんとまあ、壊してしまうのはあっという間で、いつのまにか新しい高層ビルが出来ていることだろう。「一瞬の輝き」でいいのだろうか。周囲は閉ざされた家屋などがあり、車の往来が激しかった。

坂の多い街。ぐいん、と落ちてゆく道。

またひとつ、細い道。行ってみよう。抜けたところに

こんな表示がある家があった。「昼間は通り抜けできます」、えーって見てると黒猫が鈴を鳴らして通り抜けた。

今歩いて来た道は左側の。金網の向こうは窪地でお墓がずらーっと並んでて、その奥に高層マンションがいくつも見える。道なりをぐるりと進む、ちょっとじめっとした感覚。路地をくねくね行くと急な階段があり、上ると、目的地の映画館に着いた。わ!
こっちも楽しい散歩道だったなー。映画見に行くことにして正解。