実験工房展を見に鎌倉へ

風が強く冷たい日、久しぶりの鎌倉へ向かう。途中、武蔵小杉駅のダンジョンっぷりがすごかった。連絡通路が長過ぎて、井の頭線なら2駅はあるレベル。エスカレーターに乗ったら”傾斜してる”動く歩道だったとか。閉じ込められた感が壮絶に続くので震える…

さて鎌倉いざ鎌倉、休日なのでけっこうな人出。まずはお昼ご飯で小町通りのカレー屋さん。客も店員もリンネル読者限定か!な感じでビビる。私が入ったときは空いてたものの食べてる間に行列になり、客層も観光地へ来たなあという雰囲気に。2000年前後な楽曲がかかってて30代前半な店員さんの好みなんだろなあと思ったけども、おしゃべりで賑わい、BGMとしての役割すら気付かれていないかもしれない。ますますの繁盛ぶりは二子玉の地下室時代に通った身には時の流れを感じるケド、座席も接客もキツキツセカセカしてないから混んでても嫌な気持ちを生まず、カレーも昔と変わってない。移転後何度目かで、今日は久々に来たけれど、店としての空間を保っていることが凄いなあ*1。くるみのお菓子も変わらず付いてるのね。


神奈川県立近代美術館での「現代への扉 実験工房展 戦後芸術を切り拓く」、とても面白かった!絵画・デザイン・立体・舞台・映像・写真・音楽…あらゆる創造的活動を横断し、更に繋がり広がっていく熱が感じられた。戦後の混乱を抜け、新しい日本を作っていこうと躍動する時代の空気も大きかっただろう。とはいえ興味深いのは、クレーやミロの真似かい!てな作品が、先鋭さを求め、メンバー間の交流が深まっていくなかで次第にどろーんと湿気と粘着質を帯びることで、逆に内へ内へ向かっているかのよう。日本人の特有性というか土着的な逃れられないものを感じてしまった…。
別館で上映の「銀輪」もよかったなあ。自転車用のPRがもともとのようですが、微睡サイケな映像に痺れる。これってどこかで、、と思ってたら特殊効果は円谷さんによるものでした、ナルホド。隣接したコーナーでは同時代の絵画を展示していたけれど、具象から抽象へ移行する風景画がやっぱり好きだ。


海から山から吹きつける風に凍えるよな日だったのでそんなに散策出来ず、お寺の境内を回る。山に沿った階段を登って奥へ奥へと、風の音しか聴こえないキリリと尖れた空気が気持ちよい。梅もちらほら咲いていた。山肌の地層が美しい。夕方すこし手前の光の角度はよい塩梅で絶妙にこちらを照らしていた。

*1:あとで入った出来て数年な喫茶店が、当初のイメージとはかけ離れたのだろうなってトコだった。ゼロ年代的ミニマルな空間で始まっただろうに。ネルドリップで一杯づつ抽出と謳う珈琲は大きなネルでたくさん淹れててビックリした!混雑時だけだとしたらオソロシイなあ。どういう店をつくりたいのかな、と思ってちょっと切ない。