「熱波」

昨日、神保町で「可否道」見てから移動、渋谷で下車してヒカリエと元東邦生命ビルのなかをくぐり抜け、少しでも外の暑さを避けながらイメージフォーラムへ。この日二本目の映画はミゲル・ゴメス監督(ミゲルくん!…す、すみません)最新作。
OPから痺れる映像にドキドキするも、前半で寝てしまったトコあり…。ちょいタイクツに思わせられてしまった第一部をきちんと見ていたら、第二部の回収っぷりにもっとシビレタのかもしれない。一部から二部へと切り替わるときの、カタンとした様も粋だけど、画面の質感も変わって、オオ!(16ミリから35ミリに変わったそうです)
第二部は「回想」なのだけど、なによりも音に驚かされた。「かつて鳴っていた音」として遠く遠くに存在していた。ロネッツなど選曲や繋ぎ方も絶妙なのだけど、あくまでも「過去」で鳴っていた。記憶を辿りながら語るように、音にも追憶があった。画質も含めて、映画館だからこそ感じ取ったのかもしれない。「私たちの好きな八月」でも録音技師が登場したけど、音に関しても敏感に取り扱っているように思う。
映像も1シーンごとにとても美しかった。けれど、2人のメロドラマのような愛情は常にフレームのなかにあり、映画的文法をたくさん蓄えた監督の「こういう(往年の名作のような)映画をつくる」という知性あふれる意志が先立ってしまって、ぐっとクルものが感じ取れなかった。
そしてこの邦題はどうだろう?端正に描かれた密やかな逢瀬にはうだる夏のような情熱は感じられず、ましてや記録的な暑さで文字通りの「熱波」を浴びまくった身には、ピンと来ないのは仕方がないかもしれない。でも、真夏のこの日に見て良かった。暑さとともに映画の記憶が私の記憶になった。


今日はほんとうに暑い。40度越えの地域もあったようで、、、汗が止まらない。カレーを食べたかったけど満席で諦め、帰宅した。