THE LAST BAUS

第7回爆音映画祭と「THE LAST BAUS〜さよならバウスシアター、最後の宴」のお知らせ
2004年5月から始まった爆音上映が新しい10年に向けて踏み出す本年、その1年の最初のお知らせを、何とも残念な報告から始めなければなりません。
爆音上映の発祥の地、爆音の聖地でもあるバウスシアターが、この5月末で30年の歴史に幕を閉じることになったのです。
http://bakuonnews.tumblr.com/post/76408976598/7-the-last-baus

こんな報を目にしたら書かずにいられなかった。最近爆音のスタッフさんのツイートが悲痛に満ちているので嫌な予感はしていたけれど、まさかこんなことに。
バウスへは爆音映画祭でしか行ったことがないけれど、「バウスで」「爆音で」見たことで、一度見た映画でも初めて見たような驚きと興奮と発見があった。例えば2005年に見た「右側に気をつけろ」の音の動きがカッコ良くてスゴくって、あの感覚は今も髄に滲みている。見終わると夜も遅い時間で、すっかり人の少なくなった吉祥寺の商店街を歩きながら、残響と余韻を反芻するのもセットで「爆音映画祭」だった。
通ってないヤツがいるからダメなんだよと言われればそのとおり。でも吉祥寺は生活圏ではないから気軽に行ける映画館ではない。「爆音映画祭」という発明を可能にしたのは、「吉祥寺」という街に「バウスシアター」という映画館があったこそだろう。「爆音」で上映して大正解とはいいがたい作品も正直なところあった。けれど何故ただ上映するんじゃなく「敢えて」こんなことをやり続けていたのか、それは採算とか事情が前提の「シネコン」にはないものだ。

バウスシアターがそこに無くなってしまっても、その可能性が確実に何かの形で受け継がれていく、そんな未来とともに「THE LAST BAUS」、そしてバウス最後の爆音映画祭を開催できたらと思っています。

その「継承」されるときをこの目で耳で体感しようと思う。そしてこれからの吉祥寺にはあの空間が必要ないとされたんだなと、とても寂しい。