昭和の残り香、城前団地

※GW 会津若松の旅記録 その2 です※
観光客で賑わう鶴ヶ城を抜けると人通りがすっかり無くなってしまった。車が通り過ぎる中、幅の狭い歩道を歩く。
とそこに、

団地が!

町名が「城前」!
市道沿いの城と向かい合う住棟の1階は店舗スペースだけど、どこもシャッターが閉まっていた。

トタンで囲うなど”改造/増築”が施されていて、長年住み続けている時間が感じられた。


外壁はヒビも多くかなり剥離している。

こどもの日が近いので、小さな鯉のぼりが上がっていた。しかし小さな子供はおろか人の気配がまるで感じられない。

猫のボスに睨まれた。


3〜5階の中層を中心に、メゾネットや平屋などさまざまなタイプが並んでいる。



既にがらんどうの棟も多く、住環境としては寂しく廃れているものの、恐らく戦後間もなくの建設当時としては住宅政策として画期的で華やかだったのではないだろうか。

号棟のタイルがカワイイ。


後に調べると、城前だけに当然江戸時代においては武家屋敷が立ち並んでいたが、明治時代には歩兵部隊の兵舎になったという。戦後は引揚者用の住宅になり、昭和29年より公営住宅の整備を始まったようだ。軍施設が団地になるのはよくあるけれども。再開発については長年の課題とされており、漸く年内に建替工事が始まる様子。これまでの歴史を踏まえると文化財としての埋蔵物が多く、再開発もスムーズにはいかないかもしれないけれど。
最後のタイミングでこの団地を知ることが出来たんだな・・・