比留間幹「給水塔」 

給水塔 比留間幹写真集

給水塔 比留間幹写真集

エプソンギャラリーの近日開催予定で知った、”比留間幹写真展「給水塔」”。このズバリなタイトルに驚き、写真集も出るとのことで、発売日を楽しみに待ち購入、コンパクトなサイズにキュッと綴じ込めたよな密やかな広がりが素敵だった。更に驚くべきことに、日経新聞の文化面にコラムが掲載され、叙情的な文章にぐっと来て、比留間さんはどんな方なのだろうかと思った。


さて写真展。写真集とはまた違う広がりがそこにあった。給水塔のある風景と自らの気持ちが重なったときに切り取った瞬間の記録。なんでもない風景に給水塔がにゅっと現れることで生まれる感情。とても好きだなあ。
比留間さんが会場にいらっしゃっり、勇気を出してお声がけさせていただいた。写真は独学で、給水塔をモチーフに撮り始め、ある程度作品数が増えるまで一切外へ公開しないと決めていたそう。漸く目処が立ち、エプソンギャラリーに応募し今回の展示期間が決定、同時に写真集の出版も決まり(版元リトルモアは、出すならここでと思っていたそう)、しかも発売日が先行して決まっていた個展と被るという好タイミング。
給水塔の写真はネットに上がることも多いのに比留間さんの作品をこれまで知らなかった理由が判り、給水塔を分類してカタログとして決して語らず、「給水塔のある風景」としての写真に込められた「想い」と繋がった。