night with boris

6.24 月曜日*1。ファッションレーベルであるyo asaによる企画ライブは今回も素晴らしかった。会場は渋谷www*2 dipBorisの対バンにBoris with ヤマジカズヒデのセッション。中山晃子さんのAlive Paintingとともに。耳の記憶も目の記憶も皮膚の記憶も、脳みそを映写機にして夜空に映し出せる。ヘヴィなのに軽やかで、澄んでいながら濁流で、轟音なのに静寂な、あのひとときだけの時間だった。
開場時フロアにはEXTRUDERSが掛かっていて、嬉しかったー。また活動してくれないかな……。
まずはdip。リアルタイムで創り出す映像に浮かび上がる3人。1曲めは新曲!重く蓄熱しながら繰り返すフレーズは止まること無く暗闇を走っていく、映像はプクプクと泡が生まれては消え生まれては消え、聴覚のリズムと視覚のリズムが重なって、ふっと心のなかが浮き上がって”宇宙だ!”って喜びに震えた。セットリストによるとタイトルは”eva”。2曲めは途中に久々の”baselines”を挟みながらのインスト”draw the line”、それから”krauteater”、後半にふいにやってくる昂揚感がたまらない。”hollowgallow”はアラビックなフレーズで転調するのがすごく好き。最後は鉄板”break on through”、シャウトしすぎず、クールに熱い音。遮るもの無く映像が眼球に映り、耳は演奏をそのままドンッと吸収し、たくさんの人の中にいるのに私だけのような感覚に陥った。今日のライブは「dip 2019ver.」の確定版だったのではないだろうか。このところの実験モードが戸川純さんのライブに参加した所以もあるのかライブ感を失わずに、でも細かな音作りがされていた。あとドラムの音がよかった。高いところからスタッと落ちる印象が、今日は低いところでまとめられていて、その分重みがあった。明らかにborisファンな人たちも音に体を合わせて盛り上がっていて、嬉しかったー。


転換時のBGMはYoung group。yo asa企画ではおなじみ? 彼らの曲をこういうライブハウスで聴くのは不思議な気持ち。ヤマソロで木之下さんとやってくれないかなー・・・


borisは、UFO clubでのwith michio kurihara以来。うん、個人的には栗原さん有りborisでギター対決見たかった……。ううう。これまで何度か見ているborisの音圧はひ弱な私には重厚すぎて打ちのめされてしまうのだけど、今日は天井の高いWWWの音響のためか体に過度に来るところはなく、選曲もポップめなのかな?轟音混沌でも聴きやすくて、のめりこんだ。にしても彼らのライブはタフなエンターテイメントだなあと改めて痛感。そこがメタル的なのか?な? 二郎のラーメンのようにドンッドンッドンッと重ねて重ねて、見得を切って、でもスープは昭和なあっさり醤油味ってところが面白いなあと今思い返している。

borisのときの中山さんの映像は重い砂嵐のモノクロームで、これと対比させるとdipのときは水溶性の青と赤だった。そんな聴覚と視覚の印象の組み合わせが面白い。


最後に、boris with ヤマジカズヒデ。1曲めはドローンなヘビーな轟轟轟。形のない渦のなかにヤマジさんの弦の震えがビガーーーっと入ってくるの、痺れた。インプロかと思ってたらborisの曲で”phenomenons drive” 、borisの曲やるなら”Fuzzy reactor”も聴いてみたかったなと贅沢なことを書いてみる(それやったら多分泣いてる)。2曲めはやはりの、”天使”。ボーカルはWATAさんのみで、長年耳に残っている雰囲気とは異なる、硬質な感覚。ギターソロは感傷的な余韻は薄かった。最後はPYGの”花・太陽・雨”カバー。borisが海外でも高く評価されるのは、ああいう音でこういう曲をやってしまうところもあるのだろうか。

ひたすら浴び続けた轟音なのに、ぐったりもせず耳の中に残像も無く、終始とても楽しかったなあ。あんなに暴力的な音なのに、ね。
dip、次のライブは「9.15 FEVER」。狼煙が呼ぶ、のか?

*1:会社から渋谷に直行してお腹すきすぎて公園通りをクッキー食べながら歩いていたら某さんに見つかってしまった!

*2:トイレ行くと、シネマライズを思い出す。でも前よりもトイレ狭くなったよね?