池田亮司 / ultratronics [live set]

約10年ぶりのアルバム『ultratoronics』をリリース前に渋谷「WWW X」でライブセットによる世界初演、遅い時間だったけど慌ててチケ取ったらやはり即完売で、追加公演がその時間帯の「前」に決定・・・じゃあ先に取ったのに世界「初」視聴じゃないじゃんね・・・


音が出た瞬間に違いを感じた。音のひとつひとつに個体性があって、ドゥンドゥンと体全体に突き刺さる。重い風圧を抱え込む音圧のひとつひとつに都度都度一掃される。それを唖然としながら受け止め続ける。整骨院で60分施術した身体感覚。予想外にかなりアグレッシブでバイオレンスだけどジェントルマン。過去の作品を思い出させつつ、エレクトリックボディミュージックですかと死語が浮かんでしまうようなところもあった。
映像は前の人たちの頭で隠れてしまうから「アタック25」になってたけど、家ではこの音響で聴けないからよかった。やはりこの人は音楽芸術作家だなあ。


しかし気になるのは、こういう人の演奏会もロックな音楽興行で取り仕切らなくてはならないこと。開場時の段取りも悪く、換気悪く広くはない場内にみっしり人を詰め込んで、再利用してるドリンクチケット渡されて、客の手にはビール。開演まで1時間もあるから次第にざわざわしだして落ち着かなかった。コロナ禍で日本社会ですら社会の変化はあったのに、音楽業界はまるで変えるつもりないこと痛感。定期的に下北のライブハウスは行ってるけど、どこでもそうなのか。
あと、曲終わってすぐ拍手や声上がるの残念だった。轟音のあとの静寂をきちんと感じ取りたかったな。
それにしても、オンタイムで聴き続けてきた人たちはそろそろ心臓にキツい音になるのでは、いや、むしろ活性化するのかしら……