dip/LABO 16

良く伺う、深煎専門の自家焙煎珈琲店の店主は毎回、今日の豆の焙煎について話してくれる。同じ豆でも今回はほんの数分焙煎時間を長めにしてなどど試行錯誤を楽しそうに伝えてくれるのが嬉しい。日々研究を続ける真面目で実直な店はハンドピックは勿論のこと、仕上がった豆の色ツヤはとても美しい。

今回のライブを見ながら、そんな珈琲の味わいをふと思い出した。ネルドリップでゆっくりと丹念に温めの温度で抽出され、舌に載ったときと喉越しと余韻、深い苦味は複数のレイヤーで構成され、後から甘味が滲んでくる。温度が下がった変化もまた格別。焙煎の奥深さはさながら音楽のようだと思っていた。生豆選択、焙煎、抽出の組み立てで美味しい珈琲が出来ること、そのシンプルな工程は実に複雑なレイヤーでもある。そういえばこのあいだ「バロウズ」という名の極深の豆を飲んだ。ドリームマシンの夢を見た。



5月19日(土)高円寺Highにて。
全曲新譜からの選曲だなんて、ライブたまにしかやらないのにチャレンジなことするなあ。新曲を早く聴いてほしいというのは、作り手として健全なことだよね確かに。ここ最近ライブではお馴染みの曲もあるものの、いつもよりも更に淡々と進行したのは慎重に緻密な構成の音を紡いでいたし客側も固唾を呑んで見ていたからだろう。これらが血肉となり、解放されて感情が乗り説得力がついた、個々の存在感とダイナミズムある生々しい音で早く聴きたい。
新譜は11月リリース予定。1,2ndを手がけたアタカさんと久々に組むそう。タイトルとジャケも楽しみだな。久々に渋谷クワトロでライブとのこと、キャパあるから友達5人連れてきてと言っていたけど、アンコールのbreak on throughなどの映像をガンガンアップすべきなのではなかろうか。どうもそういうのしたがらないけど(完璧と自認できない音が残るのが嫌なのか美学なのか)、怯えないで〜〜!と言いたい。もっと聴き手が広がって欲しいなあ・・・


01.krauteater
02.Labo
03.Self Rising Flower
04.The place to go
05.HollowGallow
06.Perverse
07.Nicked Lake
08.For never end
09.Traffic
10.Slan
11. il faut continuer
12.EVA

encore. break on through


・il faut continuer、遂に正式に曲として登場(CDRで発表してたらすみません)。
・The place to go、穏やかな流れがガガッと性急になる焦燥感が泣けるほどたまらなかったので、昨日の演奏だとその部分無くしちゃったのかなとちと寂しい。他のお馴染み曲はガチっと決まってきた印象を受けた。
・私の耳がおかしいのかそういう音作りなのか、ベースの輪郭がごもごもした音なのが気になってしまう。ギターとのバランスがよく掴めない自分がもどかしい。
・今年の7月20日にはなにもやらないのかな・・・30周年記念!
・そうそう追記、この間ひさ子ちゃんとのライブで。ひさ子ちゃんの音色は今ここにいて生きてるんだけど、ヤマジさんはここにいるのにここにいなくて旅をしてるなあと思ったんだった。そういう時間軸は確実にdipを形成していると思う
・ヤマジさんとナガタさんがお揃いで色反転のバウハウスTシャツ着てたのも微笑ましい。客でothermusicのトートバック持ってる人いて話しかけたくなったよね(キモい)