8月の終わり、9月の初め

はてなの更新が「ひと月にひとつ」状態になっていて、良くないなーと思いつつ、この1ヶ月更新が結構気に入っているし、どこかへ行った記録も1本別立てで書くほどでもないしなーという感じである。アップして読み返して、思い出して追加することもある。
今月はとにかく暑いしとにかく仕事で心身疲弊していたな……「グッタリ」は何度登場していることやら。もはや誤魔化さずに書き留めたくなるほど。



oejerum.bandcamp.com
8月の盤。øjeRum好きなんだけど、お名前読めない……


companysha.com
8月の本。発売時に読んでもう3年ほど経つけれど、今も時折読み返しては言葉の中を散歩するように巡らしている。




8月7日 国立博物館も小さなライブハウスも、私もあなたもみんなお金がない。それでも生きていく。お金なくても心は貧弱になりたくないよ。

担当者は国にも、ことあるごとに予算の増額の要望と陳情を繰り返しているが、国の財政状況も厳しく、自分たちで事態の打開に向けて努力しなければならないとしてクラウドファンディングに踏み切ったと説明しました
【なぜ】国立科学博物館 資金が危機的 1億円クラウドファンディング | NHK | サイエンス


8月8日 小学生には「野球=甲子園」だけではないと今から刷り込んで、高校生になるころには「真夏の甲子園」はなくなればいいのに。/ ポカリスエットのCM、たくさんの友達とともに校内で一緒に過ごし一緒にやったことはキラキラ輝き、一生の思い出なのですね。見るたびに、ここにいない高校生もいますよと思う。
youtube.com
そういえば私は高3の学園祭の日に東京に行って、ソフトバレエのライブ見たんでした。それでも一般企業勤務で生きています。



8月9日 (翌日書き)昼から始まった頭痛がひどくなり、帰宅してご飯食べてパタっと寝てしまった。Y氏もぐったり疲弊しており共に就寝、まだ20時前・・・



8月10日 諸々問題を抱えながら盆対応で追われていたところに台風対応も追加されて、さあ大変!な業務を終わらせ定時退社。夏営業の喫茶店でおやつ食べて帰宅。



8月11日 ヤマの日(いちおう・・・) 「ジェーンとシャルロット」を見る。類まれな母娘だからこその、ジェーンにとってもシャルロットにとっても奇跡のような必然のような、映画。あらためて思うのは、きらびやかなスター性を持ちながら朗らかでフラットな人柄だなということ。ああ、私は母とこんなふうにまっすぐ向き合うことなかったな。まもなくお盆だ。
www.reallylikefilms.com


続いて代官山へ。ヒルサイドテラス上田義彦 「いつでも夢を」を見る。ここにあるのは商品広告でありながら、上田義彦葛西薫が創り上げた、品のあるノスタルジックないつかどこかの風景。この空気こそが、今はもう無いものだと痛切に感じる。見た人の心に余韻となって残り続けて欲しいと創られるものは、大メディアで流れることはほぼないだろう。80年代末当時、中国の広大な土地と人々の暮らしを見て膨らんだイメージは、バブル期の広告業界にいる日本人が懐かしく思う理想郷だったのかもしれない。そのうるおいを受け手が享受出来た時代でもあった。若い人や中国人観光客が見たらどう思うのかとも感じてしまう。
www.galleryonthehill.com


場所柄人が多くてぐったりしそうになったものの、風が抜ける空間があることに救われる。

朝倉家と槇文彦によるこの空間が持つ意味を再開発事業に携わる人は来て感じ取って欲しいよ(きっと伝わらないだろう
槇文彦葛西薫上田義彦ジェーン・バーキン。今日触れた方々の作品には憧れを持って接してきた。そんな感覚はもう古いのだろうか。



8月12日 重い腰を上げ遥々向かった武蔵美「若林奮 森のはずれ」頑張って行ってよかった……。
mauml.musabi.ac.jp
天井の高い空間のおかげで重い鉄の塊が気持ちよかった。思索としてのドローイングや模作自体も素晴らしいのだけど、その重なりが時の経過の中で行ったり来たりしながら、巨大な彫刻に到達する凄み。最後の、ネジで束ねられた分厚いメモにグッときた。→ ドローイングや版画のほうが実は好きなんだけど、今回もリトグラフが素晴らしかったなあ。そのモチーフを知り更に感激した。見入ってしまった。淀井彩子さんとお二人で滞欧時に見た洞窟遺跡が、それぞれの作品の根底にずっと流れていながらまるで違う作風なのもほんと素敵。

武蔵美は夏休み。芦原義信設計の校舎は美しくカッコいい。



駅からの道のりは玉川上水沿いを歩いたので気持ちよかったなあ。

駅周辺は諸々変わりつつも長閑だけど、帰りに乗り換えで降りた国分寺駅北口の大変貌にもビックリした。



8月13日 眠くてぼーっとする。ご飯や肉を食べる気がせず、近くのカフェでレモンプリンを食べてからスーパーで買った焼き芋小さいのを食べた。/ 夕方に先日注文したダージリンファーストフラッシュ(オレンジバレー茶園)が届いて淹れると、ああ…ほんとうに美味しい。好きだなあ。/ 昨日買った「地下鉄のザジ

LPじゃないよLDだよ。



8月14日 東京には台風が逸れたため、いつもどおりの連休明け対応のみになって助かった。/ 夕飯食べてから紅茶を飲む。紅茶といっても、ダージリンファーストフラッシュが良い。とりわけオレンジバレー茶園のものが好みの味わいで、価格もそこまで高くない。もっと高いものもいくつか飲んだけどそこまでピンとこなかった。紅茶も茶葉の種類・収穫期・農園などで全然味が違うのが本当に面白い。



8月15日 台風の影響で急に雨がガッと降ったり止んだりの日。朝は眠くてボーッとしてたけど、会社行くと血圧上がることで平常値になりバリバリ仕事をし、帰宅中に一気にグッタリ来るの巻。Y氏がかけてるアンビエントすら耳に痛い。



8月16日 正社員減→一部業務を委託→委託事業者側の人手不足→お金払って委託した業務の一部をこっちでやってあげるってブーメランおかしいでしょ? でまあやることになるんだけど「あーハーゲンダッツ食べたいなあ!」と嫌味ぽく言ったら、係長が買ってきてくれたの巻。/ そんな1日だったのでぐったり疲れた。太ももにちょっと蕁麻疹できてて、わかりやすくて笑う。



8月17日 係内の先輩のお子さん(小学生)が会社に顔を出し、ちょっとお話し。私は子供と接する機会がほぼないこともあり、身近な人の子供の愛らしさときらめきに、大人としてやるべきことを実感した。



8月18日 父から大きな荷物を投げられた気分になるお願いされた。



8月19日 高円寺に行くも駅周辺の店しか行かなかったというか歩く気せず。



8月20日 近くの和菓子屋前で「和菓子買うよー」とY氏にメッセージして中に入ったら、Y氏が麩饅頭を頼んでるところだった。ビックリした。



8月21日 YouTubeライブ配信『「eZ」傑作選特別公開』を途中まで見る。カッコいいギターの私的定義を無意識につくってくれたのはイマサなのかなとか、スライダースは全く聞いてなかったのでピンと来てなかったヤマジさんの「スライダースの影響(髪型や音楽性)」もやっとわかったかもと思ったり。1988年4月から1992年10月にかけて放送という年代を思うと、ezは私よりもちょっと上の世代が主軸だからそこまで思い入れないんだろうなあとか、遊佐未森長野まゆみつみきみほがあの頃の私の憧れと象徴であったなあと遠い目になったりした。しかし私は当時epicではなくFITZBEAT(グラスバレー!!)、ソニーではなくビクター、パチパチではなくb-passとplumだった。今聴くとカッコいい音だなあと思うのもあったけど、「ダ、ダサい……」と昔も今も思ってしまうのもあったりする。89年にフリッパーズが登場して、!!!となるのもそりゃそうだよなー。



8月22日 またしても労基的にどうなのな業務指示が口頭で為されたため、先方の要望も含めて文書で指示がないとしませんと返答。(もっともそれで突っぱねるわけにも行かないのが仕事であり、やったことの記録はきちんと残した)にしても上に立つ人たちの知識の無さというか常識の無さに驚く。プライベートで騙されないように気をつけてよね。



8月23日 ガラケーの父に電話で帰省する日を伝えたら「忘れちゃうからFAXして」と言われ、会社で裏紙に黒マッキーで書いてセブンのコピー機から送信した。/ この曲聴くとどういうわけだか体内のなかががくんと解けて泣きそうになる。
世の中にはよくわからない、理解できないことが多いけれど、音楽を聴いて身に起こる、こんなよくわからないことにこれからも出逢いたい。

www.youtube.com




8月24日 いつもと帰宅路を変えた。夕空の輝きが美しかった。レコ屋に寄ると「ある日、突然」のDVDを見つけて買う。この映画を見た日に「音甘映画館」を始めたのだった。2004年の8月29日。19年前!それこそ「ある日、突然」始めたのだ。



8月25日 夜はいつもの店へ、今日はまずスイカガスパチョ、スッと体に入り熱を冷ます。そしてボルシチのビーツは体に沁みる味わい。赤い美味しさは私を元気にしてくれた。



8月26日 前回会計時に予約したので無事すんなりやってきた美容院へ行く。/ Y氏から「今いる」と連絡きた店は、これから行こうとしてた店だった。なにそれ。/ NHK「新日本風土記」ライブハウスの回で映し出されたのはテンプレなイメージばかりだった。/ RIDEのお土産で買ったTシャツを未だに着ていないね?と言ったら「着る場を選ぶデショ!!」と返された。うん、確かに。/復刊した流行通信の文字の小ささに「ウン、対象年齢じゃないね」感。1ページまるごと文章の構成で、明朝体系統なフォントを極小なサイズで使われるともう、無理。
www.wwdjapan.com




8月27日 日経新聞文化欄に有吉玉青、日曜版エッセイに金原ひとみが執筆。共にテーマが母親との思い出なのは偶然と思われるけど、視点が全く異なっていて非常に興味深かった。親との関係性は他人が口出しできるものではなく、自分でもうまく言語化できない。しかしまあ、有吉玉青さんの産まれてからずっと抱えてきただけの到達点を思う。/ 新宿ユニオン地下"平成J-POP館"に改装されて、レジ後方の「名盤ジャケ写」がズラリ並んだ壁紙も剥がされたために、僅かに見えていた「dip東芝1stジャケ写」も消失してた。無念。南無。/ で、買ったのはヤマジさんの新バンド(幾つめ・・・)MOZUのアルバムなんだけど、うーんちょっと苦手なところがあってのぅ・・・音はdipじゃないけどdipとそこまで差異はなく、塩昆布と胡麻昆布の差とでもいうか・・・



8月28日 帰り道、家近くの空が赤く美しかった。夏の終わりを感じる(少しだけ)



8月29日 会社では相変わらず「ふざけんなー!」とみんなで言い合うトンデモ状況で血圧が上がる(ことで正常値になる)んだけど、退社後の音楽ニュースや建築ニュースが見事な数珠つながりで動向開きっぱなし&家のことも安心材料をゲット出来たりで、ドーパミンが上がり続けている。



8月30日 ヒリヒリとしてるのに不穏を感じるのに、心が穏やかになっていく。

はてブに上がってたの増田(という言い方も、今…)の仕事場にまつわる話、ウチの会社か?みたいな内容に震え……



8月31日 もう夏の終わりだと信じていいのだろうか?そんな空だった。

今年の8月は「ジリジリ」を超えて「ズキズキ」「ビカビガ」擬音を考える隙間もないほどの暑さが続いた。この気温を更新し続けて、どうなってしまうのか。/ Jesus jonesが「12年ぶりの来日公演」だそうである。2011年の夏、"Farewell" liveで燃え尽きた私の気持ちを返して・・・極端に年齢層が狭かったあのライブ・・・
mikk.hatenadiary.jp





9月1日 怒りに乗ってジャンジャカ仕事をしまくってしまい、帰宅途中でグッタリしてることに気がついた。会社だと脳内から変なモノ出てるから気が付かない。



9月2日 サウンドインスタレーション開催中の小石川植物園へ。朝から暑くて汗をドードー流しながら回遊。内田祥三建築の本館に入れて嬉しかった。地下のSonirさんの作品の設えが素敵だった。






関東大震災記念碑周辺のaus / Mayuko Hitotsuyanagiさんによる音は、長年この場が蓄えてきた空気を振るわせて素晴らしかった。ここだけ、光が違っていた。ちょうど100年目、大地や樹々の中に宿る人々の想いが伝わってくる。






折しも今週の「らんまん」で登場した銀杏の木があった。かなりの巨木が今も生きていることに驚かされるけれど、元々は江戸時代に植えられたといわれ、明治時代に入り幕府から朝廷に移管される際に園内の樹木は殆ど切り倒されたなか、太すぎたために切ることができなかったという。それが明治29年に世界的な発見を生み出すのだからすごい話だ。

音の「展示」としては全体的にもう少しディレクションされているとよかったかな。
soundinggarden.org

ところで、本館廊下にあった照明スイッチのテプラに泣く。そうだよね、研究費抑えつけられてるもんね・・・(クラウドファンディングで捻出する時代・・・)(8月頭に戻るの巻)



9月3日 下北へ。祭囃子が聞こえてたくさんの子供達がいた。賑わいを避けるように歩くと、2000年代良く過ごした場所が空き地になっていた。駅を挟んで向こう側の、90年代から良く過ごした場所も解体したところだろうか。子供達が年頃になったとき、この街でどんな過ごし方をするのかな。友達との思い出、1人での思い出、いろんな形があれば良いな。

秋を感じる空模様になってきた。新しいスニーカーが歩きやすくて楽しかったし、数駅ぶん歩くつもりだったのに空気の熱量の高さに断念した。夕飯を作る合間に見た夕焼けが美しかった。近所の大地主さんの森とともに見るのも今夏で最後なのだろうな。


www.mori.co.jp
今月頭に報道されてた都内大規模再開発は昔働いてたエリアで、その会社には嫌な思い出しかないけどもう何にもないんだなあと思うと、変な喪失感がお腹の中に落ちる。国家戦略特区法を手に入れて富裕層向けの街にスッカリ差し替えられてしまった。