出雲大社と静かな海と

出雲空港から出雲大社へは直行バスが出ている。
辺りはちょうど田植えシーズン、水が張られたところ既に植え終わったところそれぞれ。ほどなくして到着。
土産物屋や飲食店が立ち並ぶ参道を歩いて正門鳥居へ向かう。意外な程静か。いかにもな「観光地然」とした騒々しい雰囲気はあまりなく、眼鏡屋とか地元民向けの店も多いけど、全体的に閉まったままのところばかり。静かというよりも止まっている感じ。

これは「公衆電話」です。でも「有線」専用です。ゆうせん!

何故ここに「カントリースポット」が?!


キョロキョロしているうちに鳥居が近づいた。鳥居を前にしてお祭りみたいに屋台の焼きそばかなんかが出ててちょっとビックリ。なんかフツーの神社みたいだ。
正門鳥居前の道路は最近整備したようでかなりスッキリとしている。大型車が通りやすいように、そんな「配慮」は萩でも松山でも見たなあ。どこの観光地でも観光ツアーバス仕様になっていることに気づく。


妙になにもなくぽかあんとしていて、あれ?って思う。鳥居を潜るとその脇の松並木では市民ボランティアらしき人々がたくさんいて、清掃をしていた。伊勢神宮がピリピリした厳かな雰囲気だったので、それとは違うんだねえ。
にしてもなにかが、足りないなあ。。。と思っていると銅像がドーン!と。

「ムスビの御神像」、大国主大神が海から幸魂奇魂を授けられてムスビの神となった神話の場面を再現したもの。そのポーズも荒波の表現もスサマジイけど(杉の波が!)、ココココレはいったい…。

こちらは「御慈悲の御神像」、子供の頃聞いた"イナバの白ウサギ"のお話の一場面。
この2つの銅像はいつからあるのかわからないけど、なんかこう逆に軽くなってしまって似つかわしくない雰囲気、つーかうさんくさ…(ごにょごにょ)。

神楽が始まった。さて。

拝殿。これは御仮殿。現在「平成の大遷宮」のため平成25年5月まではこの状態。

御本殿は鉄骨に覆われて見ること叶わず。岡本太郎が「この野蛮な凄み、迫力、おそらく日本建築の最高表現」と言ったらしいけどこれじゃあわからない。ぐるりと向こうに回って覗いてみる、屋根の上部がちょっとだけ見えた。

遠くから見つめてふと思う。ここへ来てずっと「何かが足りない」と感じていた部分について。境内を歩きながらなんでだろう?と考えていたけれど、今の御本殿の姿を見て漸くわかった。鉄骨によって出雲大社が持つ「本来のパワー」が封印されてしまったんじゃあないだろうか。

海へ!

出雲大社を出て西へ、「阿国の道」と名付けられたまっすぐのなだらかな上り坂の車道を歩く。出雲阿国の墓があるのだけどそこはスルーしてまだまだ歩く、太陽がガンガン照りつける、暑い暑いと15分強でしょうか、

海!稲左の浜です。浜に沿って自転車道路が整備されていて、こんな道を走ったら気持ち良さそう。

水がとってもきれい。カニを取っている子供がいましたよ。夏は海水浴場として賑わうようだけど、今は静かで穏やか。のんびりしたいいい海辺。でもきょうは暑い。さて参道へ戻るとしましょう。さっきとは違う道を通ろうとしたら、

ギャー!!!
と驚きつつ路地へ。住宅が密集している地域で人々の暮らしが感じられるこういう道を歩くのは楽しい。表札の名字が見慣れないものばかりなのも楽しい。古めの家が多い中真新しい家が立ち並ぶ一画があり、?と思ったら脇に「○○小学校跡地」という碑がありました。