今年の音甘映画館 【音編】

店に行き、目に止まった盤や店のオススメコメントを見て、買う。もう何十年も当たり前だったことがすっかり無くなった。毎朝applemusicを立ち上げて、「今週のNEWミュージック(オルタナ)」に並ぶ小さなジャケ写から選んだり、これまでの傾向から掛けてくれる曲で気になったものをクリックし他の曲も聴いてみて、どちらも気に入ったら盤で購入する。私の耳にこびり付いた癖だけで選ばれるのだ。怖いね。でも自分次第でどんどん音楽に出逢えるってこと。今更記す話ではないけれど。


Mellow Waves

Mellow Waves

今年はこれに尽きる。Cornelius新ロゴの筆記体とジャケの銅版画から伝わるイメージだけで、小山田くんはこれまでにないフェーズであることを伝えようとしていることがわかる。先行シングルの「あなたがいるなら」を7インチで初めて聴いたときは、ふっと体が浮き上がるような溶けるような、どきどきしながら穏やかになるような、「なんだろうこのかんじ」になった。CDで聴くと、音の配置が異常にクリアにズドンと脳内に鮮明に刻まれて、頭の中がオカシクなりそうだった。彼岸のようで未来のような世界。かつてよく着ていたけれど抽斗に仕舞っていた服を「今の自分に合わせて」着こなし、新たなスタイルを見出したようにも思う。


Modern English Decoration

Modern English Decoration

Ulrika Spacek。バンド名が読めなくて”黄色いヤツ”で通してたアルバム。こういう音がとにかく好きなんです勘弁してくださいとひれ伏してしまう音。


Sandgrown

Sandgrown

ちょっとコワイ表情のジャケは自画像で、爪弾かれるギターのトレモロな音色と唄声に吸い込まれる。ああ好きだなあ。何度聴いても、ああいいなあ好きだなあって思う。


CAPACITY

CAPACITY

ジャケから不思議な吸引力がある。男の子のまなざし……。再生し漂うのは靄がかったギターに気怠い女の子の唄声。物悲しい音色は私の中から物語を立ち上げる。


guruGURU / Outside the Universe

知ったのは音楽サイトツイートだったか。なんだか気になって試聴もせずに販売してるjetsetで京都店から取り寄せてもらって、買った。ジャケも音も、好きしか無い。ほわっと掌に吹きかけた溢れた息のような音。
http://tani9recs.thebase.in/items/8703158 ジャケ写は左記レーベルサイトより引用しました。

以上5枚。feeliesとpeter perrettさんのも嬉しかった。

最後に1曲。

エスパー

エスパー

先日発売されたミツメのシングル、2曲ともとても素晴らしかった。メロディはミツメらしい口づさんでしまうシンプルなものながら、アレンジや各パートの演奏で更に魅力が増していて、溜息。この何年かの邦楽バンドで抜きん出た感じ。メンバーが各自でたくさん音楽を聴いてフィードバックしているのがとてもわかるし、演奏能力も高く、コアなことをわかりやすい表現に落とし込んでいて、若いながらスゴイなあ。今月後半はずっとこの曲が頭のなかで鳴っていた。ジャケも素敵。