さいごに

道中、福山市も少し回りました。実は港の工場群がカッコイイと思っていて拝みたかったのですが、駅からは遠かったので諦めて、市内を散策したのです。工業都市であり、大手企業の営業拠点ともなっていますが、戦後建設され、古くからの商店街の衰退を及ぼした百貨店も軒並み閉鎖され、街中は寂しい状況でした。

現在駅前では大規模な再開発が始まっていましたが、古いものが古いまま野ざらしにされ、新しいものがただただ作られる、典型的な日本の街のようでした。

この旅日記の始まりで、岡山という街に「世代の共存」を感じたことを記しました。
走る路面電車に、珈琲店レコード屋そのほか街の至る所で「古いものと新しいものが共にありながら」、市民の皆さんの「日常」となって愛されていて、出張で来た人も観光客も受け入れてくれる器がありました。

そこで暮らす人々の生活が続いてきたからこそ街が成り立っているのであるし、お年寄りから子供まであらゆる世代が共に暮らすからこそ街がある。そして他の街から仕事や観光でやってくる人々もいる。この基本的なことをきちんと再認識したうえで街づくりをする必要があることを肌で感じた4日間でした。そうやって続いていく街の中で、日々殊更に意識せずとも入ってくるモノが人を作るのだなあと、改めて思うのです。


「晴れの国」岡山旅、たのしかったです!