実家にて

先日実家に帰ったときのこと。父が、私が小学校のときの文集を掘り出してきて渡すので、怖いもの見たさで読んでみた。
題名は「私のパソコン」。ある日父が突然買ってきた家庭用PCにまつわる話で、住所録作成だのゲームだの、PCを活用しているとはいえない有様が無邪気に書かれ、最後に「2000年には家庭にはパソコンがあるようになるらしい。そうしたら教科書もいらないし、学校に行かずに家で授業を受けることが出来るそうだ。パソコンを使いこなして、私はプログラミングが出来るようになりたい」なんて言葉で締めてあって、赤面を通り越してビックリした。これで今、そういう業務に就いていたら「いい話」なんだけど、暫くしたら全く使わなくなってしまったし、理系ではなく文系な私なのだからいやはやひどいもんだ。そもそも他の子が兄弟やペットやスポーツのことなどを書く中、こんな題材を選ぶところに私の嫌らしいところが表れている……恐ろしい。。。恥ずかしい。。。2000年代にはプログラミングなんてしなくても気軽にPCに向き合って、今まあこんなふうに過ごしているわけだから、面白いものだな。

それと実家の菓子屋が大正時代に開店したときの写真を見せてもらった。店の前にきぐるみの動物がいて、子供も大人もたくさんいてとっても賑やか!今は人通りも少ない通りだけど、昔はこんなふうだったんだ……。店舗は建替前の木造家屋で、看板に「菓子と喫茶」と書いてある。当時としては珍しく洋菓子も置いてあり、ハイカラな店だったらしい。
端っこに父に似ている人がいて、それが若き日の祖父だという。体調を崩した晩年の姿しか記憶にないので、父にそっくりな表情をして店に立っていることが嬉しかった。母の話だと「朝食にはチーズとパンに紅茶」を好んだそうで、田舎にいてどうやってそんな西洋文化を知ったのかなあ。今おじいちゃんに逢えたら、若いころの話をたくさん聞きたい。