映像

5月の映画3つ

旅で気持ちがいっぱいになったからか、映画を観るモチベーションが高まらず。 「インヒアレント・ヴァイス」 ヒューマントラストシネマ渋谷にて ピンチョンの小説をポール・トーマス・アンダーソンが映画化!ってスゴすぎるよー。で、期待通り、すっごく面白…

「やさしい女」/武蔵野館

旅記録を進めながら先日見た映画のことを。会社帰りに新宿で映画を見るときは、たいていメックでレーズン入りのミルクスティック、生ハムとモッツァレラチーズのサンドの2つを買う。本当はゆっくりとカレーを食べたいけれど時間が迫っているから、パッと買…

間奏曲はパリで / 恵比寿ガーデンシネマ復活!

恵比寿ガーデンシネマが閉館したのは2011年1月だった。 http://d.hatena.ne.jp/mikk/20110119/p1 振り返るとこの「4年」の重みにギョッとする。 こうやって新装された扉と向き合うと不思議な気分。恵比寿ガーデンシネマ復活の上映第一作&イザベル・ユペール…

「恐怖分子」/ イメージフォーラム

見て以来漸く書き連ねてみるけれど、言葉にまとめて残しておく術がわからない。20年前に私はいったい何を見たんだろな。記憶の中の映画とは違っていた。あの頃はもっと遠い世界の、フィクションとして見ていた気がする。思い出したのは岡崎京子「リバーズエ…

新文芸坐シネマテークvol.3「クレール・ドゥニ 植民地行政官の娘」

映画批評家の大寺眞輔さんの企画による上映会。以前横浜で開催された際にも何回か見に行きましたが、文芸坐に場所を移し、スクリーンとともに観客の輪も大きくなり大盛況でした。今回はクレール・ドゥニの特集。 3月6日(金)第1週目は「パリ、18区、夜。」…

恵比寿映像祭 ~ 三宅唱《無言日記/201466》――どこの誰のものでもない映画

恵比寿映像祭の話を引き続き。今回日仏会館で上映された「無言日記」は、三宅唱監督がboidマガジンで月イチ連載中の「2014年1月から12月までの1年間ほぼ毎日、iPhoneの動画撮影機能のみを使用し、日々の記録として撮影・編集した作品」が元になっています。…

恵比寿映像祭 〜《5windows》恵比寿特別編

いつもスルーしてしまう恵比寿映像祭、今年は5windowsと無言日記に爆音上映も!ということでboid色が濃厚なメンツを楽しみにしてたのでした。相変わらず公式サイトはわざとのようにわかりづらいし、「5windows」の紹介文に一部休映時間の但書があるものの*…

「櫻の園」/ 角川シネマ新宿

櫻の園【HDリマスター版】 [DVD]出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント発売日: 2012/03/30メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (13件) を見る「キネマ旬報ベスト旧作特集上映」として「櫻の園」が上映されると知って、ほんとうに驚…

「ニック・ケイヴ 20000デイズ・オン・アース」/ シネマカリテ

面白かった!単純な音楽映画ではなくって、彼の頭の中の思想と記憶が夢うつつに映しだされ交錯するつくりで一筋縄ではいかないのが、ニック・ケイブ様。音響設計もキッチリしていて、効果的。冒頭からスッと引き込まれ、ラストの青き「静寂」までグワッと掴…

「さらば、愛の言葉よ」

シネスイッチ銀座、久しぶり・・・。ここで3D見るとは思ってもいなかった。もうひとつのスクリーンが1時間以上前に満席完売で、ゴダールもほぼ満席だったのかな。盛況なハコでゴダール見るのって似合わない気もするけど、嬉しい。 「Adieu au langage」。サ…

「Jimmy P」、渋谷駒場下北

1月17日のことを1月18日付で2月1日に記すなんてこれはもう完全に個人的記録なんだけどでもここに記すべきことだから綴っている。アンテナを日々巡回している人は今はもう少ないだろうし、後から「散策」カテゴリや検索で読む方もいらっしゃると思い、開き直…

「悪の階段」/ 阿佐ヶ谷ラピュタ

淡島から代沢へ、富士見ヶ丘でトマトのタルティーヌを川沿いでパクっと食べて、吉祥寺経由で阿佐ヶ谷へ。せっかくこの街に来たのに土曜は和菓子屋休みだし、ジェラート屋も冬休みだった。無念。阿佐ヶ谷ラピュタにて「悪の階段」を見る。土曜の昼にここ来る…

今年の音甘映画館 【映画編】

今年は高評価のアレコレにぐっと来ることが少なくって、振り返ると心に残っているのはどれも、奥歯にじわりと感じる哀しさや苦々しさを柔らかく掌に包むような、ちいさいけれど大きく沁み入る作品でした。私はこういう映画が好きなんだな。。。 【新作】 ● …

「自由が丘で」「そして泥船はゆく」

ホン・サンス新作は加瀬亮主演。今年公開の前作「ヘウォンの恋愛日記」にひどくやられた身には、今作は物足りなかったというか好みと違ったというか。今作はサラッとしすぎで、奥底をぐわっと掴んでいないように感じるのは、敢えてなのだろうか。「教授とわ…

「アンダー・ザ・スキン」

公開時見たのを今更書きます・・・ジョナサン・グレイザーの新作を知ったのは公開直前で、上映が更にビックリ、バルトだったので(!)これはすぐ終わりそうだなあと慌てて見に行きました。大きめなスクリーンで私サイズではなかったけど、これくらいの大き…

オトメ二本立て「滝を見にいく」→「おとぎ話みたい」

12日に見ました。このハシゴはナイス二本立てではないかと・・・! 「滝を見にいく」 武蔵野館にて。沖田修一監督の映画には品がある。笑いと泣きがしみじみと襲ってくる巧さを素直に受け入れられるのは、品の良さ故だと思うのだ。観光バスや山の狭い道を縦…

ショート・ターム

ヒューマントラスト渋谷にて。最近ここで見ることが続いているな。この作品はシネマカリテの企画内上映のときに知ったものの、見に行くことができなかったので楽しみにしていた。とはいえどんな内容なのか調べていなくて、「SHORT TARM 12」というタイトルか…

Boyhood

「6才のボクが、大人になるまで。」なんてあまりにも無粋な邦題に呆れるばかり(カタカナと句読点の使い方のセンスが古過ぎて泣ける・・・)ですが、珍しく公開初日に新宿武蔵野館へ。映画としては長い165分もの時の間に、人が過ごしたたった12年されど12年…

やさしい人

前作「女っ気なし」が素晴らしかったギヨーム・ブラックの新作で、同じくヴァンサン・マケーニュが主演。ユーロスペースにて。 彼がどんな人なのかがわかるファーストショットの、孤独な寂しさが沁みる。『原題は「Tonnerre」といい、今作の舞台になっている…

トム・アット・ザ・ファーム

農場での出来事は夢だったんじゃないかって思えてくるのだった。画面いっぱいに広がる荒涼とした農場。枯れた黄金色のトウモロコシ畑のさざめきはそのままトムの髪と同化する。息を張り詰め、恐ろしくそして美しい世界。胸に秘めた恐ろしさが粗暴なステップ…

FRANK−フランク

「バンドもの」でしかも「SXSWで演奏する」とかいうことでコレは私案件!と思ったけど、サラーッと見てしまった。例の被り物が表すものが冒頭からわかりやす〜く説明されて進んでいくので、スッカリ冷めてしまった。容赦なく辛辣な描き方でもないし、突き詰…

ミンヨン 倍音の法則

過去のテレビドラマ作品を数作しか見たことがないのだけど、佐々木昭一郎監督の19年ぶりの新作にして初の劇場映画ということで、とても楽しみにしていました。 しかし正直なところしんどかった・・・。豊かなイメージと詩情に溢れた鮮烈に心に残る美しい映像…

誰よりも狙われた男

アントン・コービンの新作がいつの間にか公開で、しかもフィリップ・シーモア・ホフマンの遺作であることに驚いた。 スパイものである本作はひたすら地味〜〜に展開し、絵的にも地味〜〜でアントン・コービンが監督ということを忘れてしまうほどなのだけど、…

ジェラシー

金曜日ということで映画を見るつもりだったけれど、気力足らず。 できょう記すのはちょっと前に見た映画をさらっと。 フィリップ・ガレルの新作はもう見なくていいかな…と思っていたけれど、今作は「ちょっと違う」という言葉を目にしたのと77分という短い上…

フランシス・ハ

ノア・バームバックの新作が劇場公開されると知ったときは本当に嬉しかった!しかし宣伝がやたらオシャレ女子映画として攻めているから*1モヤモヤしたけれど、主人公と同年代に的を絞っているのだろうなと思うし、ああいうわかりやすいキーワードないと取り…

ジャージー・ボーイズ

良い声を良い唄を堪能出来てああ良い映画だった! 本作は予告も媒体もノーマークで、TLで盛んにタイトルを目にして何だろ?と思い調べたら、イーストウッド監督作と知った。彼の作品は実のところこの何年か積極的に見ないし、フォーシーズンズのような60年代…

ムーン・ライティング

上映とっくに終わった頃に感想を。ちょっと書いては止め書いては止めで、今更になってしまった。 シネマート新宿の大スクリーンでイエジー・スコリモフスキ特集。「ムーンライティング」、スッゴクスッゴク面白かったー!!!なんなんだこの映画。粗筋にした…

ドライブイン蒲生

このところ言葉を見えない世界へ放つことに戸惑いを感じてしまい、暫し離れていました。今日は祝日で、「フレンチ・ポップ三昧」を聞きながらエエイ!と綴ってみると、出来るものですね。。。 ヤマジさんが映画の音楽を担当すると知ってオッ!と思いながら監…

「ソニはご機嫌ななめ」「へウォンの恋愛日記」

ホン・サンス作品はまだまだ未見のものが多いけれど、2年前くらいに「教授とわたし、そして映画」を見て受けた衝撃は今も突き刺さっている。「他者とはわかりあえない」ことを鋭い洞察力で反復し提示する光景は辛辣だけど、それでも人って可笑しいよねえって…

中村登監督特集「危険旅行」「斑女」

映画の感想を綴りたいけれどなかなかガッと書く気になれない。日記のヒトコマとしてさらっと書きたい気持ちもあるんだけど、、、。で今日はシネマヴェーラで特集「甦る中村登」にて鑑賞した2本をタタッと記します。中村登監督特集として見るべき作品じゃ無い…