花代&沢渡朔 「点子」/ ギャラリー小柳

平日午後、思いがけなくぽっかり空いた時間に伺った写真展、素敵だった。花代さんの写真を見るといつも心の奥がざわつくのだけど、今回は写真家である視点に加えて母親であるまなざしが深く、双方の距離感が交錯し、二重に胸にせつなくなった。ふたりの暮ら…

今年の音甘映画館【館編】

今年はグッとくる展示多かったナア。 「ブナ帯★ワンダーランド」:世田谷文化生活情報センター 生活工房 「建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」: 21_21 DESIGN SIGHT 野口里佳「夜の星へ」:品川キャノンギャラリー この3つを別途として挙げま…

夜の星と品川あたり

土曜日のオウガを見た日のこと。 ■野口 里佳 写真展:夜の星へ 品川キヤノンギャラリーSにて、ベルリンの夜の街を撮影した新作。暗がりに浮かぶ光の美しさ。中に入って思わず息を呑み立ち尽くした。彼方の地で彼女の目が捉えた光を追体験してるよう。冒頭の…

”ボーダーシャーツで音を鳴らす!” 和田永「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」〜初合奏遭遇篇〜

1ヶ月経ってしまいましたが11月23日、浅草アサヒ・アートスクエアにて。すっごく楽しかったー。 これはOpen Reel Emsembleを主催する和田永さんの新プロジェクトで、ブラウン管テレビや換気扇、黒電話、ラジカセなど、”今亡くなろうとしている”家電を使い、…

比留間幹「給水塔」 

給水塔 比留間幹写真集作者: 比留間幹出版社/メーカー: リトル・モア発売日: 2015/10/10メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るエプソンギャラリーの近日開催予定で知った、”比留間幹写真展「給水塔」”。このズバリなタイトルに驚き、…

鑑賞記録簿

この数ヶ月見た展示の中からいくつかつらつら記録として。「建築家 フランク・ゲーリー展 “I Have an Idea”」 21_21 DESIGN SIGHT 10月17日。ひらめきが思考になり建築物として具現化されていく過程が見て取れて、とても面白かった。建築家の仕事に関する展…

最近見た展覧会の記録

・鈴木理策 「水鏡」/ Gallery koyanagi オペラシティでの展示と同シリーズなのに、暗く天井が低い場内だと踏み入れ方が変化するのが興味深い。作品が手を広げていない感じ。一歩づつ作品に近づいていく。そうして目に入ったときの「あ、」っていう瞬間の心…

夏のタマちゃん祭りと森本美由紀展

タマちゃん the Onion: もうひとりの森本美由紀作者: 森本美由紀作品保存会出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/06/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る8月8日、真夏の土曜の暑い日だった。この日はお昼にバインミ…

真夏の土日

土曜日。今日もとにかく暑い日。バスに乗って散策開始、途中下車してバインミーでお昼ごはん。美味しいけれど、OKZデザイン流派ならではの”ノイズの無さ”が味気ないンだよねえ。美味しいけれど”旨い”んでないの。またバス乗って目黒美術館へ。 「村野藤吾の…

鈴木理策「意識の流れ」

前回の大規模な個展は東京都写真美術館だったけれど、閉館中のこともあってか今回は初台オペラシティにて。こちらの天井が高く白い空間のほうが作品にあっていると感じられた。白に溶けこむような空間がそこにあった。鈴木理策さんの写真を見ると、すぐ「き…

金土日祝

もう1ヶ月以上映画を見ていないのは、フィクションを敢えて我が身に投入せずとも、仕事で目にする事柄を消化するだけでいっぱいなんだろな。今週は会社帰りに思い立って、髪を切りに初めてのお店へ出掛けてみたり、金曜夜には以前生活圏だった街へ出向き、最…

「シンプルなかたち」と「線を聴く」

森美術館/ポンピドゥー・センター・メス/エルメス財団による共同企画は、2会場で開催の展示でタイトルだけで魅了されたなあ。 まず銀座メゾンエルメスでの「線を聴く」展へ。カールステン・ニコライによる"音が聴こえてくる"よな幾何学模様。次の部屋に入…

サラ・ムーン「NOW AND THEN」

メイデイ。シュプレヒコール!午後は仕事を切り上げる事ができた。暑い日だった。一保堂でお休みして抹茶とともにいただいた本日の上生は藤色で、ああ5月だなあ。 東銀座へ向かう道すがら、いくつもの角が大きく空いて再開発の真っ最中。大通りを曲がり、オ…

巡る

今日は午後休して、気になっていた展示をいくつか。 ● 同潤会の16の試み —近代日本の新しい住まいへの模索— 竹中工務店東京本店の1階にある「GALLERY A4」で開催中のこちらは、場所が場所だけに平日10〜18時開催とふらりと行くのはちとツライのであります。…

「ブナ帯★ワンダーランド」

「ブナ帯」とは? ブナ帯とは、ブナをはじめクリやクヌギ、コナラなどブナ科植物の多い樹林帯のこと。秋から冬の紅葉と落葉、春から夏の新緑と軽やかな緑の林は、動植物や微生物など多様な自然生態系を維持するのに最適な環境である。 ブナ帯とはなんぞやだ…

ドボクな写真展2つ

●広川泰士 写真展「BABEL Ordinary landscapes」 紹介記事の写真を見て、これは見たい!!!と品川キャノンギャラリーまで。 橋や道路などのインフラの工事中を捉えた写真群が中心で、大判で展示されているので圧倒的且つ美しい。 工事中だからワイヤーなど…

「東宝スタジオ展 映画=創造の現場」

世田谷美術館にて開催のこの展示はホンットに楽しかった! 初期の撮影風景写真にワクワクし、撮影スケジュール表にのけぞり、絵コンテの監督ごとの個性がとても面白いし、山中貞雄の死亡通知なんてまさかこんなものまで!なものばかり。黒澤明が三船敏郎にあ…

平日のギャラリーと散歩

このあいだ午後休して、ギャラリーをいくつか回った。晴れた暖かな日だった。 タカシソメミヤギャラリーは初めて行ったけれど、秘密基地のようにこっそりと佇む白い館で素敵だった。大槻素子 「少しずつ離れる」、とても好みの絵だった。夜の黒と青空の雲の…

岡崎京子展

2月最初の火曜日、Y氏と合わせて会社お休みして、芦花公園の世田谷文学館へ向かった。岡崎京子展をひとりで見に行くのは無理だと思ったし、早いうちに見ておきたかった。見終わって会場を出て、南へ歩いた。住宅街ではあるけれど時折畑がある界隈は、東京の…

高松次郎と奈良原一高 / 国立近代美術館

雨が降ってきた。午後時間休を貰って、近代美術館に行くために竹橋駅下車。直結の毎日新聞のビルヂング、地下から1階に上がる階段やエレベーターホールなど、「あのころの未来」感あってカッコイイなあ。 さて近美。 ● 高松次郎ミステリーズ 単純にカッコイ…

「都市のインク ― 端島複合体 同潤会アパートメント」と「設計のプロセス」

表参道から歩き出す。大坊があったビルは敷地そのまま新しく4階建てのビルを建築中だった。概要見ると多店舗展開してるカフェが出来るのかなあ。。。なんだかねえ。 裏通りを歩くと長年あったホテルが閉鎖されていた。やけに派手なビルとちょっと古めなマン…

東京都庭園美術館

一時休館を経てリニューアル・オープンとなった庭園美術館へ向かった。午後時間休を取得して。よく晴れた12月の空だった。 ■アーキテクツ/1933/Shirokane アール・デコ建築をみる 東京都庭園美術館は、1933(昭和8)年に朝香宮家の本邸として建てられた建…

test pattern [nº6] : Ryoji Ikeda と「Red Bull Music Academy」

午前中にスパイラルホールにて池田亮司の作品を見に出かけた。これはRed Bull Music Academyという企画の一環で、ネット上では「2時間待ち」だのなんだのと目にして、イケダリョージでそれっていったいどうなってるんだと行く前から驚いてしまった。金土は…

3連休

土曜日は雨の中、現代美術館で「ミシェル・ゴンドリーの世界一周」と「新たな系譜学をもとめて‐ 跳躍/痕跡/身体」を鑑賞。ゴンドリさんのはPVをぐるぐる回遊しながら見ていく手法がとても楽しかった。”新たな〜”はとにかくダムタイプの新作が・・・!内容…

湾岸にて

駅を下りると古い団地と給水塔が見えた。久しぶりに来た。給水塔は水色の地に錆びた茶色が映えている。川を渡ると向かいの岸には超高層マンション群。集合住宅の変貌がありありと。公営住宅も時代が変わればなんとやら。川に挟まれたこちらとあちら、50年後…

横浜から郊外へ

横浜へ。電車を反対方向に、ちょっと長く乗るだけなのにお出掛け気分を感じる。中華街で点心を食べて、ぎゅっと詰まった街を出て、通りを歩く。広々とした大通り、緑も近代建築も多いから目に楽しく気持ちが良いなあ。高層ビルの角を曲がったら、一階に別棟…

Abandom Reverie

今日は育児中の友人から連絡があり、久々に逢ってお喋り。ランチ後別れてから移動してちょっと歩いて、珈琲豆を買い求め店先で一杯。それから再び歩き始めた。昔は小川であった緑道はくねくねと線を描く。台風が近づく今日は曇りがち。 路地に入ってウロウロ…

不思議な動き キネティック・アート展〜動く・光る・目の錯覚〜

損保ジャパン東郷青児美術館にて開催のこの展示は楽しみすぎて、先日向かったらまだ開始前だった…という大失敗をしでかしたのですが、指差し確認、改めて行ってきました。 公式サイトを引用するに「1960年代にイタリアを中心に展開したキネティック・アート…

ダクソフォン、不思議な魅力の楽器

田園都市線あざみ野駅下車、横浜市民ギャラリーあざみ野での「Listen to the Daxophone」すごく楽しかった!2011年に亡くなったドイツの音楽家ハンス・ライヒェルが開発し創作した”ダクソフォン”と呼ばれる、未知の楽器についての説明は、言葉では説明しがた…

雪と花梨と花代チャン、そしてグラスゴーの風

今日も雪でした。片栗粉踏みしめてるみたいな帰り道の感触。ホントにモーどうなっちゃってんでしょか。慣れない都内は祭り事のようにハイテンションになっている。こういうときに生活を支えてくださる方々にはほんとうに感謝だし、逆にそれを強要する場面を…